伊達氏
竪三つ引両
(藤原氏山陰流)
伊達氏は戦国大名のなかでも、もっとも家紋の数が多い家である。伊達氏の紋のひとつひとつをみると、家紋がどういうものであるのかが分かってくる。
まず、伊達氏の使用紋を全部あげてみると、(1)十六葉菊(2)五七桐(3)蟹牡丹(4)竪三つ引両(5)竹に雀(6)九曜(7)鴛鴦の丸(8)ナズナ(9)雪に薄 等である。
このように紋が多いのは、それだけ歴史が長く、伝統がある家であることの証でもある。紋にはそれぞれいわくがある。たとえば「三つ引両」は始祖が源頼朝から下賜され、「菊」は皇室から賜ったというが、ともに確証があるわけではない。また伊達氏は桓武平氏流伊佐氏の後裔とする説もあり、それを語っている紋が「九曜」である。また、「竹に雀」は上杉氏に養子を入れようとしたときに頂戴したものだ。そして、伊達氏はこれらの紋をそれぞれ適当に使い分けているのである。
「菊」は皇室。「桐」は豊臣家、「牡丹」は近衛家、「三つ引両」は清和源氏、「九曜」は桓武平氏、「竹に雀」は藤原氏流上杉氏にというようにそのルーツはどこにでも結び付くように用いている。すなわち、戦乱の時代を生き抜く処世のシルシに家紋を利用したのである。
そのうち、もっとも人気があり、のちに定紋となったのが「竹に雀」紋であった。
「竹に雀」紋を見ると、家紋本来の特徴がわかる。
(1)左右の雀は雌雄で形も違う。一方は口を閉じ、一方は舌を出している。
(2)笹の形も左右で違う。
(3)点は十六ある。
家紋は、左右対照に書かれることが多いが、本来は左右対照ではなかった。伊達氏の紋からそれが理解できる。蛇足ながら、点は露といっている。竹に雀紋は、伊予宇和島の支藩伊達氏でも使用しているが、露の数が増え、二羽の雀は接吻している形となっている。ここでも宗支の区別が厳然とされているのである。
「竹に雀」紋の露は、朝であることを示し、左右対称でないことは、世に二つと同じものがないことを表わしと、家紋に深奥な意味を秘めているのである。
【掲載家紋:左上から、竹に二羽飛雀/九曜/菊/五七桐/蟹牡丹/雪に薄】
[一族家伝]
■伊達氏
■駿河伊達氏
戦国伊達氏
応仁の乱当時の守護大名から国人層に至るまでの諸家の家紋 二百六十ほどが記録された武家家紋の研究には欠かせない史料…
そのすべての家紋画像をご覧ください!
地域ごとの戦国大名家の家紋・系図・家臣団・合戦などを徹底追求。
………
●
奥州葛西氏
●
奥州伊達氏
●
後北条氏
●
甲斐武田氏
●
越後上杉氏
●
徳川家康
●
播磨赤松氏
●
出雲尼子氏
●
戦国毛利氏
●
肥前龍造寺氏
●
杏葉大友氏
●
薩摩島津氏
を探究しませんか?
わが家はどのような歴史があって、 いまのような家紋を使うようになったのだろうか?。 意外な秘密がありそうで、とても気になります。
家紋を探る
………
●
系譜から探る
●
姓氏から探る
●
家紋の分布から探る
●
家紋探索は先祖探しから
●
源平藤橘の家紋から探る
丹波篠山-歴史散歩
www.harimaya.com