戦国武将割拠図 常陸の勢力地図は、太田城を居城とした佐竹氏が常陸国北部に勢力を張り、一族をその勢力地に配して南下をめざした。中部地方では大掾氏が水戸城を居城に一族である鹿島氏、島崎氏、玉造氏らを南部地方に分出して勢力をもった。さらに、中西部では、小田城を拠点に小田氏が勢力を維持し、南西部では、下総結城氏とその輩下である多賀谷・山川・水谷氏らが割拠していた。 南北朝期に一族壊滅した那珂氏の後裔にあたる江戸氏が勢力を盛りかえし、大掾氏の拠る水戸城を奪い取り、常陸国中部に拠点を築き、以後、勢力拡大を目指した。一方、佐竹氏は十五世紀を通じて、山入氏を盟主とした「山入一揆」との抗争に多くの労力を割かれ、山入氏らを降したのは十六世紀初頭であった。以降、常陸国制覇をめざすことになる。 こうして、佐竹氏、江戸氏、小田氏、大掾氏、結城氏らの諸豪が、北関東の地で、抗争を繰り返し、常陸国の戦国時代が推移していくのである。 ■常陸を中心とした諸豪の居城-配置図 ・十五世紀の初め CONTENTS ●常陸-戦国通史 ●戦国大名伝 ●国人領主記 ●常陸武将家紋地図 ●近隣の戦国大名 ●戦国武将割拠図 ●関東戦国地図 ●軍旗探究 |