戦国山城を歩く
丹波と摂津の国境の城─笑路城


丹波亀岡から摂津の池田に通じる国道423号線が能勢に分かれる交差点の左手、鉄塔のある小高い山が笑路城址だ。永享年間に中沢正綱によって築かれたと伝えられ、小規模ながら丹波・摂津の境目を押える要害である。山上の鉄塔は主曲輪に建設されており、その建設に際して発掘調査が行われた。その結果、天守台を始め数々の遺構が発見された。
遺構は埋め戻されたが、城址を歩くと主郭部の周囲、虎口などに石垣が用いられ、土塁・堀切なども明確に確認できる。 主曲輪の下方に案内板が立っているものの荒れるにまかされ、また、雑木が城址全体に生い茂り、 城址の環境保全を期待したいところだ。

・摂津能勢方面から城址を見る




北西方向より城址を見る・東の堀切・東端曲輪の土塁・虎口状遺構・曲輪の土留め石積



帯曲輪と切岸・切岸に残る石積・崩落した石積・主郭虎口の石垣・曲輪の土塁

城址より南方に行くと中澤氏の菩提寺長福寺があり、城主中澤氏の五輪塔が境内に残り、 台座を見ると「丸に二つ引両」の紋が刻まれていた。




主郭東の土塁・散乱する石積・帯曲輪の土塁・菩提寺長福寺・境内の墓に刻まれた二つ引両紋


中澤氏
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