尼子氏は、宇多源氏佐々木氏の後裔である。近江国で栄えた佐々木氏の嫡流は六角氏と京極氏に分かれ、尼子氏の家系は京極氏に属する。先祖が近江国犬上郡甲良庄尼子郷に拠たことから、尼子を氏とするようになった。
尼子持久は明徳三年(1392)本家であり主君でもある、近江半国に隠岐と出雲の守護を兼ねる京極高詮から出雲守護代に任じられ、能義郡月山富田城に入った。すなわち、雲州尼子氏の始祖となった。
持久の孫、経久の代になると尼子氏は出雲国にしっかりと根をおろし、独立の気概を高めた。文明十六年(1484)経久は京極家に背いて、租税の京都送りを停止し、出雲国主を僭称した。そして、この一瞬から出雲は戦国時代に突入することになる。
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